「扶養を超えない範囲で、もう少し収入を増やしたい」——そう考えて軽貨物ドライバーを始めた佐藤さん(仮名・36歳)。小学2年生の娘を持つ母親として、朝9時〜15時の6時間稼働で月20万円を実現しています。主婦ドライバーとしての1日のリアル、案件の選び方、家事との両立術を包み隠さず公開します。

CHAPTER 01

「扶養を超えない範囲で」始めた軽貨物

佐藤さんは、結婚を機に地方都市に移り住んだ元事務職。娘を出産後は専業主婦として7年間、家事・育児に専念してきました。しかし娘が小学校に上がるタイミングで「自分の収入も作りたい」と考え、パート探しを始めます。

最初はスーパーのレジや事務のパートを検討しましたが、時給1,100円前後・週4日勤務で月収は10万円前後。思ったより稼げないことに驚きました。

ドライバーの声

パート情報誌を見ても、時給1,200円を超える仕事は少なくて。それに、夕方まで拘束される仕事が多く、娘の下校時間に家にいられないのが難点でした。

── 佐藤さん(36歳・小2の娘を持つ母)

そんな時、SNSで「主婦の軽貨物ドライバー」の存在を知ります。時間の自由が利き、稼働時間に対する報酬が比較的高い。「育児との両立」と「収入」の両方を叶える選択肢として、軽貨物の扉を叩きました。

開業の壁:車両と初期投資をどう抑えたか

軽貨物の最大の初期投資は車両です。新車軽バンは120万円以上、中古でも50〜80万円。主婦が気軽に投資できる金額ではありません。

佐藤さんの初期投資
  • 中古軽バン(走行8万km、52万円)
  • 車両用品(ドラレコ・スマホホルダー等、1.5万円)
  • 保険(対人対物+貨物、初回年8万円)
  • 開業届・会計ソフト(0.5万円)
  • 合計約62万円を夫婦の共有貯金から投入

佐藤さんは「車両は家計用の軽自動車と兼用できる」点に着目。プライベートでも使えるので、完全な「仕事専用投資」ではないと割り切りました。

CHAPTER 02

1日のタイムスケジュール:朝9時〜15時の6時間稼働

佐藤さんの1日は、家族の時間を崩さない設計になっています。

平日のタイムスケジュール
  • 6:30〜8:00 起床・娘の朝食・登校準備
  • 8:00〜8:30 娘を学校まで送り、家事(洗濯・掃除)
  • 9:00〜15:00 稼働(EC配送:約50件/日)
  • 15:30〜17:30 帰宅・夕食準備・娘の宿題サポート
  • 18:00〜19:30 夕食・入浴
  • 20:00〜22:00 家族時間・読書・翌日の準備

稼働時間は1日6時間、週5日(月曜〜金曜)。月平均22日稼働で、6時間×22日=132時間。時給換算すると約1,500円前後です。

案件は「時間短め・定期便」を選ぶ

主婦ドライバーが月20万円を安定的に稼ぐには、案件の選び方が重要です。佐藤さんは次の3つを軸に選んでいます。

1
定期ルート
毎日同じエリアを回る案件。慣れれば配達件数が安定し、時間コントロールしやすい
2
📦
小口配送
重い家具や冷凍品ではなく、軽い商品のEC配送。身体への負担が少ない
3
🏙️
自宅から近いエリア
往復の移動時間を削減。家から30分以内のエリアを優先
CHAPTER 03

主婦ドライバーならではの工夫

家事・育児と両立するために、佐藤さんは細かな工夫を積み重ねてきました。

「急な呼び出し」への備え

子どもの発熱や学校からの呼び出しは避けられません。佐藤さんは登録先2社と「子どもの急病時は当日キャンセル可」という取り決めを交わしています。これにより、月2〜3日の突発休暇が発生しても信頼関係を維持できます。

ドライバーの声

最初は「主婦だから優遇してもらえない」と思い込んでいました。でも正直に事情を話して、代替案(別日補填など)を提案したら、荷主さんも理解してくれました。

── 佐藤さん

車内を「第2のオフィス」にする

配達の合間は車内で昼食と休憩。コンビニ弁当ではなく、朝仕込んだおにぎりと味噌汁(スープジャー)を持参。月の食費節約にもなり、体調管理にも貢献します。

佐藤さんの車内セット
  • スープジャー(味噌汁・スープ)
  • おにぎり・果物
  • 軽量クーラーボックス(夏場の水分補給用)
  • 折りたたみ座布団(腰痛対策)
  • ハンドクリーム・日焼け止め
CHAPTER 04

月20万円のリアルな内訳と意外な発見

売上から経費を引いた「手取り」の話

月の売上は約27〜30万円。そこからガソリン代・高速料金・車両維持費・保険などの経費を差し引いた手取りが20万円前後です。

項目月額(円)
売上(平均)280,000
ガソリン代30,000
車両維持(車検・メンテ按分)12,000
保険8,000
通信費・消耗品6,000
駐車場(借りている場合)4,000
手取り220,000

パートで月10万円だったのが、月22万円前後に。ダブル以上の収入増加を6時間稼働で実現しています。

意外な発見:体力が「むしろ」ついた

「主婦の体力で大丈夫か」と心配していた佐藤さんですが、結果は逆でした。毎日6時間動くことで基礎体力が向上し、長年悩んでいた肩こり・腰痛も軽減。「専業主婦時代より健康になった」と笑います。

📌 この記事のポイント
  • 主婦ドライバーは時間の自由度が高い働き方。子どもの生活リズムに合わせやすい
  • 中古軽バン+週5日×6時間で月20万円は現実的なゴール
  • 定期ルート・小口配送・近場の3軸で案件を選ぶのが継続の鍵
  • 子どもの急病時の対応は登録先に正直に相談して合意を取る
  • 家事・育児だけの日々から外に出て動く日々に変わることで、自己肯定感も上がる