「他のドライバーは実際いくら稼いでいるのか?」——業界ニュースで見る数字は、自分の実感と乖離していることがあります。本レポートは2026年1月〜3月に実施した独自調査(有効回答412名)をもとに、軽貨物ドライバーのリアルな平均月収・稼働時間・案件タイプ別の収入実態を公開します。
CHAPTER 01調査概要:412名の現役軽貨物ドライバー
- 調査期間:2026年1月10日〜3月31日
- 対象:個人事業主として稼働している軽貨物ドライバー
- 有効回答:412名
- 地域構成:首都圏41%・関西圏22%・中部圏13%・九州11%・その他13%
- 年代構成:20代15%・30代34%・40代28%・50代16%・60代以上7%
- 性別:男性87%・女性13%
本調査では「手取り月収」(売上 – 経費 – 社会保険料相当)をベースに数字を算出。経費の範囲は回答者ごとに異なるため、参考値として読み解いてください。
CHAPTER 02平均月収:全体平均38万円、中央値35万円
412名の手取り月収分布は以下のとおり。平均値は38万円ですが、一部の高収入層が平均を引き上げているため、中央値(真ん中の値)35万円の方が実態に近いと言えます。
| 月収帯 | 回答者数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 〜20万円 | 38名 | 9.2% |
| 20〜30万円 | 92名 | 22.3% |
| 30〜40万円 | 138名 | 33.5% |
| 40〜50万円 | 88名 | 21.4% |
| 50〜60万円 | 38名 | 9.2% |
| 60万円以上 | 18名 | 4.4% |
30〜40万円帯が最多(33.5%)で、ここが業界の中心層。50万円以上を稼ぐ層は全体の13.6%と、思ったより少ないのが実態です。
20万円未満層の特徴
月収20万円未満の38名を分析すると、70%以上が「副業・週3日未満稼働」でした。本業として軽貨物を営む層では、20万円未満は極めて少ないことが分かります。
CHAPTER 03稼働時間と収入の相関
「稼働時間を増やせば収入は上がるのか?」という問いに対する回答が興味深い結果でした。
| 月間稼働時間 | 平均月収 | 時給換算 |
|---|---|---|
| 100時間未満 | 18.2万円 | 2,100円 |
| 100〜150時間 | 28.5万円 | 2,280円 |
| 150〜200時間 | 38.8万円 | 2,220円 |
| 200〜220時間 | 42.6万円 | 1,980円 |
| 220時間以上 | 46.1万円 | 1,920円 |
稼働を増やせば月収は上がりますが、時給換算では150〜200時間帯がピーク。それ以上働くと「疲労 vs 収入」のバランスが悪化します。
── 調査レポート解析担当
月200時間以上の長時間稼働ドライバーは、車両メンテ費・医療費・自動車事故率の上昇というマイナス要因も増え、長期的には時給換算で不利になっているのが実態です。
CHAPTER 04案件タイプ別の収入分布
稼働している案件タイプ別に見ると、収入差はかなり顕著です。
| 案件タイプ | 平均月収 | 稼働時間 | 参入難度 |
|---|---|---|---|
| EC宅配 | 31.2万円 | 185h | 低 |
| スポット宅配 | 36.8万円 | 170h | 中 |
| 法人ルート便 | 45.5万円 | 160h | 中〜高 |
| 法人チャーター | 52.3万円 | 155h | 高 |
| 医療・書類便 | 42.0万円 | 150h | 中 |
| 軽トラ建築資材便 | 48.8万円 | 175h | 高(体力) |
法人チャーターが平均52.3万円で首位。ただし、参入難度が高く、1年以上の実績と法人側からの信頼が必要です。新人ドライバーがいきなり稼げる案件ではありません。
EC宅配は「入口」、法人便は「キャリアの先」
新人ドライバーの85%はEC宅配からスタート。1年後、約40%がスポット宅配へ、20%が法人便へステップアップしています。EC宅配は「入口」として機能しており、ここで実績を積んだ層が上位案件へ移行する流れが明確です。
CHAPTER 05エリア別の収入差
エリアによっても収入に差があります。
| エリア | 平均月収 | 案件需給バランス |
|---|---|---|
| 首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉) | 42.1万円 | 需要過多(ドライバー不足) |
| 関西圏(大阪・京都・兵庫) | 38.5万円 | 需要やや過多 |
| 中部圏(愛知・岐阜・三重) | 35.8万円 | 均衡 |
| 福岡都市圏 | 33.2万円 | 均衡 |
| 地方中核市 | 29.8万円 | やや供給過多 |
| その他地方 | 25.5万円 | 供給過多 |
首都圏の月収は地方中核市より10万円以上高い結果に。ただし、首都圏は家賃・駐車場代・生活コストも高いため、可処分所得ベースでは差が縮まります。
CHAPTER 06個人ドライバーが取るべき戦略
本調査から導かれる、個人ドライバーが2026年に意識すべき3つの戦略:
- 軽貨物ドライバーの平均月収は38万円、中央値35万円
- 稼働時間のピークは150〜200時間。それ以上は時給換算で不利
- 案件タイプでは法人チャーター52万円がトップ、ただし参入難度高
- 新人ドライバーの入口はEC宅配、実績を積んで上位案件へ
- エリア差は明確。首都圏は42万円、地方は25万円と17万円の差
次回レポートは2026年7月に公開予定。上半期の実態比較データを公開します。